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嫌な上司への対処法 第4回

Unsplash / Pixabay

前回までのおさらい

前回までは、嫌な奴が上司(略して、「嫌な上司」、と言います)になった場合、即効性はあるけれども抜本的解決には至らない対処療法的なアクション;短期的アクションと、時間はかかるけど抜本的解決に徐々に近づき二度とそのような事態に陥らないようにするためのアクション;長期的なアクション、を取る必要があり、

短期的アクションとは、3 dimensional approachで考え、対象ごとにアクションを行うこと;①彼(上司)、②自分、③その他の人々

長期的アクションとは、

  1. その嫌な上司と一緒に仕事をしてもそれほどストレスを感じず何とか1年ないしは2年くらいは平気で過ごせるようになるためのアクション、
  2. ポジティブな理由で違う部門に行き目の前の上司とは離れられるようになり、そして、可能な限りそうした嫌な奴が自分の上司になる確率を下げるためのアクション、

から構成され、1については、情報の非対称性の解消・利用がキーとなる旨、書きました。

長期的なアクション1・2は相互に関連している

今回は、2.ポジティブな理由で違う部門に行き目の前の上司とは離れられるようになり、そして、可能な限りそうした嫌な奴が自分の上司になる確率を下げること、をどう実現するかを論じます。

さて、2ですが、これは前回も述べたように1の情報の非対称性と密接に結びついています。1を成し遂げることなく、2を実現するのは難しいということです。順序的に1が最初にきて、その次に2が来るということですね。

もっと詳しく説明します。

1では、上司と部下の情報の非対称性を限りなく0にすること、自分が上司が持たないスキルを身につけ、そのスキルを使う仕事を取りに行くか、作るかすること、が重要だとお話ししました。

さて、1が首尾よくできたと仮定すると、どのようなことが生じるでしょう。

今のあなたは、嫌な上司の下でも、それほどストレスを感じず、上司と同等レベルの知識を身につけ、且つ、その上司が持っていないスキルを持ち、且つ、そのスキルを使う仕事を取るor作ることのできる人材であると周囲から思われていることでしょう。

更に、短期的なアクションとしては、第3者に対しては良い人であれ、という風に書きました。

そうするとどうでしょう?

嫌な上司の下で、不貞腐れることなく、自分のやるべき仕事を前向きにきちんとこなしスキルを身につけ、その上性格も爽やかで気持ちいいと周囲から評されるようになることでしょう。

そのような状態が一定期間続けば、自然と部門内外で良い噂は広まりますし、こいつと一緒に働いていみたい、と思う上の人も出てきます。

ここで、1と2は少しだけつながります。

とはいえ、1だけでは不十分。。。

もしかしたら、次の人事異動まで今の状態が続けば、異動できるかもしれません、でもできないかもしれません。とはいえ、一刻も早く抜け出さなければいけない状況なわけで、悠長に次の人事異動まで何もせずに待っていていいわけではありません。

さらに異動するための確率を高めるには、なんらかの方法を使って、他の人より有利にその部門に早く異動しなければいけないわけですが、一体何をすべきでしょうか?

伝統的日本企業の人事評価のメカニズム

そこで、その方法を明らかにするには、伝統的な日本企業の人事がどのように決められるか、把握する必要があります。

例えば、事務職として働いているAさんが現在経理をしていて、将来営業に行きたいと思っていたとします。

この場合、資格や経験といったハードスキルで全てが判断され、異動が決まる、、、ことはありません。

これは日本企業のとても良いところでもありますが、3-5年同じ仕事をやって、ちょっと退屈してきたら、「定期的な異動」という制度を通して、違う分野の仕事に携わることが可能です。

(もちろん、ある特定の分野にしか興味がなく、当該分野に秀でた才能を持っている人にとっては、迷惑なシステムです。そして、事実として、ある部門でスター社員として扱われ、明らかに当該部門では特筆すべきスキルを持ち重宝され、会社に多くの価値を提供してきたにもかかわらず、定期的な異動の波に飲み込まれ、異動先の部門で使い物にならず干されてしまう、というようなことは往々にして起こります。)

そして、この定期的な異動、は前述のようにハードスキルだけでなく、これまでの人事上の評価、誰につかえてきたか、誰から評価されているか等、様々な要素が考慮されて、本人、ならびに外部の人間からは一見預かり知らないようなところで意思決定がなされます。

もちろん、会社によって、どの要素が重要視されるかは違うのですが、どの会社でも一様に最も大きな影響を与えるのが、「異動先の上司の意思」です、これが他のどんな要素より重要です。

つまり、自分が異動したい部門の上司が、Bさん、のことを名指しで「こいつが欲しい」と指名すると、スキルがあろうが、なかろうが、他の数多いる候補者を押しのけ、5馬身差をつけて、Bさんが異動候補者リストのトップになります。

長くなりましたが、つまるところは、行きたい部門(これは一つではなくて複数でもよいです)の上司から、名指しで指名されるために、何ができるか、を考える必要があります。

くもの糸を自分に手繰り寄せるには?

で、先ほど述べたように、短期的なアクション・長期的アクション1は、滲み漏れ出るように上司に伝わるのかもしれませんし、とても人の良い上司が他の部門にいた場合、受け身でいても、もしかしたらその部門に引っ張ってくれるかもしれません。でも、所詮、それって蜘蛛の糸のようなもので、僕たちの前に垂れてくるものなのかは、皆目見当がつきません。

そこで、私が、長期的なアクション2としてお勧めするのは、「直接的にその部門の上司にコンタクトして、自分の熱意や今の部署での活躍をアピールして、ポジティブな形でその部門にいくためのお膳立てを自ら行うこと」です。

カンダタに降りてきた蜘蛛の糸は、現代では自ら手繰り寄せる必要があるということです。

誰も見ていないから、自分がでしゃばってアピールする

とても泥臭いことなんですけど、今の時代、「誰かが見ているからいつかは正当に評価される」という受け身な考えは改め、「できることは何でもやる」方式に行動をシフトしていかなければなりません。

(もっというと、そもそもそういう会社で働いていること自体が誤り、転職・起業すべき、という意見があるのは十分理解していますが、人それぞれ個別の事情があり、一定期間お金を貯めるためにその会社で働かなければならないのかもしれませんし、結婚したばかりでさすがにこのタイミングでは転職が難しい、という人もいるでしょう、ということで、転職・起業については、基本的にはこのスレで論じず、より適した人たちにお任せすることにしています。まあ僕自身、企業勤めで、転職も企業もしたことはないので、知らないことを知ったような口をきいて論じるのも失礼な話ですよね。(^^;;))

もちろん、限度はありますけど、仕事上で少しでも繋がりがあるなら、その部門の先輩や同僚を通じて飲みに行くですとか、重要なのが一度きりのコンタクトに終わらせず、定期的に根気強くコンタクト続けて、自分の熱意を訴えることです。

知らないから、コンタクトなんてできないよ、というのは、会社内の人間には使えない言い訳です。必ず、コンタクトする方法はあるはずです。タバコを吸う人だったら、タバコ部屋に通いつめてみるとか、まあいろいろありますよね。

そして、一旦飲みに行くくらいの関係になったら、特に異動時期の手前2ヶ月前くらいは、必ずコンタクトをするようにしておきましょう。

伝統的な日本企業においては、定期異動は年2回はあるはずです。

会社によって、若干違いはありますが、異動発表時期の大体2ヶ月位前から、どの部門の誰が欲しい、こいつはいらない、などと部門の長たちがその下の課長の意見を取り入れ、水面下のやり取りを行うようになります。

ですので、その水面下のやり取りを行う前のタイミングで、飲みに行って熱意をアピール、行きたい部門の上司が候補者を選定する際に、顔を思い出してもらえるようにするべきです。

そして、晴れて異動が決まり、嫌な上司から逃れた後も、このような次に行きたい部門やチームの上長ときちんとコンタクトをとり、次嫌な上司が自分の上に来た場合の対策を怠らないことです。ここまですれば、まさに抜本的な解決ができた、と一定程度安心しても良いでしょう。

とても原始的な方法ですが、これが長期的なアクション2の要諦となります。

人の手

このようなfinal touch(最後の一手間)は、料理で言えば最後の塩コショウで味を調整する行為そのものです。

それなしでも、そこそこ美味しいけど、最終的な味の調整が行われて舌鼓を打つような心を動かす食べ物に生まれ変わる、といったもので、完成度とはそのレベルにまで到達しないと「高い」とは言えません。

そして、final touchで手を抜くなら、なぜもっと早く手を抜いておかなかったんだ、と自己矛盾を感じる要因にもなるし、やはり最後の最後まで詰める姿勢が重要なのではないでしょうか。

というわけで、長々と嫌な奴が上司になった時の対処法を論じてみました。

自分の上司が良い人だと、嫌な奴が上司になることなんて露ほども考えず、そうした状況に遭遇した場合の対処が疎かになり、その落差から精神的に大打撃を受けることが少なからずありますので、頭の体操くらいはしておいたほうがいいですよね。