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サラリーマン身だしなみ論考 前編

Pexels / Pixabay

中身?身だしなみ?どっち?

今回は、ちょっと趣向を変えて、サラリーマンの身だしなみについて論じます。(僕自身は女性の身だしなみ論を語れるほど、ビジネスウーマンについての身だしなみに詳しくないため、誠に勝手ながら、ビジネスマンの身だしなみについてのみ論じます。)

サラリーマンの身だしなみといえば、各々違う考えを持っており、「実力社会だから身だしなみなんて、そこそこでいいよ。何もそんなに気にすることはない。」とお考えの人もいれば、「いやいや、人は見た目で判断するし、良いものを知らない人間がどうやったら良いものを作れるんだ?」とお考えの人も居ます。

IT業界のような、old economy(金融、重厚長大のような昔からあるビジネス)のアンチテーゼとして生まれてきた新しい産業で働く方は、そもそもスーツで働いている人も少ないでしょうし、髪を染めている人、長く伸ばす人、ひげを生やす人、様々な人がおり、仕事さえしっかりしていればok、奇抜な身なりそのものが一つの個性として受け入れられる傾向が強いです。

一方で、伝統的な日本企業で働く方は、内勤であれ、営業であれ、エンジニアであれ、会社内では、サイズの合ったスーツにピシッとしたシャツ、派手すぎないネクタイ、高級な靴や時計、短めの髪型、といった現代版金太郎飴的な装いを不文律として強いられます。

もちろん、新人や新たに転職してきた中途社員は、このルールを知る由もないので、入社当初は、ルールから逸脱してしまいますが、後々小言を言われたり、先輩社員や上司から適時に悪態をつかれることに嫌気がさして、このルールに従うようになります。(そして、染まりに染まって、しまいには、新たに入ってきた社員や中途社員に、そのルールを押し付ける急先鋒として活躍したりします。)

身だしなみのルールと、そのルールの裏側

今回は、あくまで伝統的な日本企業で働く方が、ちょっと迷った時に参考になるような大まかなガイドラインを示します。

また、ガイドラインを示した後に、そのガイドラインが一定程度緩和されうる秘密の条件を明らかにします。

さて、もはや、みなさんご存知のことかと思いますが、伝統的な日本企業では、身だしなみに一家言ある方が多いです。特に上に行けば行くほど、気にする人が増える傾向にあります。

上に行けば行くほど気にする人が増える、ということは、自分を評価する人間は、自分と同じ世代の人間より気にする人が多い、ということです。

ところで、新人時代は、やたらと身だしなみにうるさい上司がとにかく鬱陶しく、「誰もそんなの気にしてないだろ」、と同期と一緒によく愚痴るものです、僕も実際によく不満を言っていました。しかしながら、今考えてみると、上司は、身だしなみを仕事をする上での前提条件として捉えているわけですから、仕事をきちんとこなしていれば身だしなみは気にしなくていい、という学生の論理が通らないのも今となっては理解できます。

彼らは、そういう価値観をもった更に上の上司に囲まれて仕事をしているわけで、新人が同じくらいの年齢の人たちの価値観でもって、良い悪いを判断することが御門違いだったということです。更に言えば、自分を評価するのは上司そのもので、他の同期でもないわけですから、評価者が気にすることを被評価者が同様に気にするというのは、極めて真っ当なことです。クライアントの要求を把握できない営業は、大きな受注を逃したり、既存の案件についてもクライアントの満足度の高い結果を得られることはないでしょう、それと同じことなのだと思います。

なぜ見出しなみが気になるのか?

では、見出しなみを気にするメンタリティというのはどのようなものなのでしょう。

まず、前述のように上が気にするから、目につくような余計なことはするな、です。

そりゃ、ただでさえ、上から目をつけられずに無難に仕事をしたいのに、配下にいる部下が上の逆鱗に触れるようなことをしては困るわけです。みんな、頑張ってるんだから、皆の努力をお前の身だしなみごときで無駄にしたらただじゃおかないぞ、といったような気持ちです。

次に、身だしなみは、社会人が社会人たるべき前提条件として考えているということです。

この意味では、身だしなみを気にする人は、具体的には、身だしなみがなってない人間に対しては、あらゆる面でネガティブな印象を抱くシステムを自分の中に構築している可能性が高い、ということになります。

例えば、極端な例で言えば、新人君が1日目にジャージで会社に来たとします。

その場合、次のような思考プロセスで、無能の烙印を押され、大きな事態に発展します。

身だしなみの些細なミス

社会人であることの前提条件である身だしなみがなっていない

目の前にある人間は、社会人としての適格性を欠いている

社会人ですらない人間に仕事ができるはずがない、社会人ですらない人間に仕事を任すと俺の責任問題になる

社会人でないのだから、教育をしても仕方がない

何かヘマをやらかす前に、他の部門に異動してもらうしかない

極端な例ですが、このような思考プロセスを経て、無能の烙印を押され、一線を外されてしまっては目も当てられません。

そして、こうしたメンタリティが是とされる環境であるからこそ、伝統的な日本企業では、身だしなみについては、一定のルールを守る必要があります。

大きなルール、小さなルール

ここで、ようやく、そのルールが何か、という話になるのですが、僕はこのルールが大きなルールと細かなルールの2種類からなっていると考えます。

大きなルールは、常に立ち返るべき原則です。何か困った時、迷った時は、この原則に立ち戻って、状況を分析すれば、大きなミスは犯さないようになっています。

細かなルールは、身だしなみを構成する各要素について、一体何を押さえておけばとりあえずは大丈夫か、を示すものです。

これをデフォルトとして、あとは個々の状況に応じて調整していけば、自分なりの身だしなみ体系が確立できるはずです。

では、まず大きなルールについて説明したいと思います。

身だしなみを考える上で最も重要なことは

「自分より立場が上の人間が、不快だと思うような身だしなみをしないこと、迷った時は常に1歩保守的に動くこと」

です。

結局は、自分がどう思うかではなくて、自分を評価して将来に影響を与える人間がどう思うかが全てだということです。そして、どっちが良いか迷った際は、より保守的な選択肢を志向すべきということです。

身だしなみに関して言えば。。自分を殺せ

前段は、あえて説明するまでもないと思います。伝統的な日本企業においては、上司がほぼ絶対です。また、その次に顧客も絶対です。とすると、自分より立場が上の人間が自分をどう見て、どう思うかで、自分のパフォーマンスが決まってきます。

これから、こまごまとしたルールを述べますが、これらのルールに適合しない場合、戻るべきはこの原則です。後段は、意外と見落としがちなところです。

たとえば、明日からクールビズが始まるとします、自分自身は職場の誰が実際にクールビズでくるかはわからないものの、正式に会社からokの通知もでていたため、迷った挙句ノーネクタイで会社に来ました。

ところが、どっこい、上司はネクタイをびしっとつけ、訝しげな目でこちらの胸元を見ます。あたかも、「そうはいっても、ノーネクなんて許さないからな、俺は」と言わんばかりです。

このように、迷った挙句、あまり考えず楽観的な方向に傾いてしまい誤った選択をしてしまう例は少なくありません。特に社会通念上、こうするのは許される、といった考えが頭に浮かんだ時は、一旦深呼吸して、社会通念は横に置き、自分がどういう環境にいて、保守的にアクションを起こす(この場合は、ネクタイをつける)ことのデメリットは何なのか、改めて考える必要があります。

人間、誰しも楽な方が良いですし、僕自身も楽な服装や髪型が好きですから、ともすると、思慮を欠いて楽観的な憶測のもとに、判断を下しがちなのですが、迷った時は保守的に、ということを身だしなみについては徹底するのが良いでしょう。

ポイントは、あくまで身だしなみであって、全側面において保守的にすべき、というわけではありません。例えば、仕事は時にアグレッシブに攻める必要がありますし、そうでないと取りこぼすこともありましょう。

しかし、身だしなみというのは、特に自分の心を曲げる必要のない(あるいは少ない)テクニカルな話ですから、これくらい機械的に(保守的に)処理してもそれほど嫌な気持ちにも、損をした気分にもならないものです。

ここは、一つ、迷った時は一つ保守的に、の合言葉をビッグルールの一つに入れておきましょう。

そうすることで、僕が当時悩んだような無駄な時間を過ごすことが減りますし、実際のところ保守的に動いて事態が悪化することはありません。これは重要なので2回言いますが、迷った時に身だしなみについて保守的に動いて状況が悪化することはありません。

と、以上が大きなルールとなります。

次回はこまごまとした細則をカテゴリーごとに整理してきます。