1. TOP
  2. 社会人ノウハウ
  3. 外見・服装・みだしなみ
  4. サラリーマン身だしなみ論考 後編

サラリーマン身だしなみ論考 後編

MiraDeShazer / Pixabay

前回のおさらい

(特に若手サラリーマンにとって)会社での身だしなみというのは、悩みの種の一つです。

雑誌を読んでも、やたらオシャレなスーツ(誰も着ていない)や蛍光色のネクタイや細いニットタイをモデルがつけているばかりで、あまり参考になりません。一方で、先輩や上司の真似をすれば良いかというと、それはそれでなぜか注意されたりします。

一体何が正解なのか?、他の側面では、人と違うことをするな、前例に倣えなどと言われるのに、こと身だしなみに関しては、必ずしもそうではない、頭を抱え悩んでしまう人もすくなくありません。

前回は、こうした身だしなみを考える際、大きなルール、小さなルールにわけるのが便利だとお話ししました。

その上で、まず考えるべきは、

「自分より立場が上の人間が、不快だと思うような身だしなみをしないこと、迷った時は常に1歩保守的に動くこと」

だと、大きな指針を示したところです。

上記の原則をリフレーズすると、

「自分より上の人間の身だしなみ以上に、派手で華美な格好をして目をつけられるな」

「自分より先に入った人間より保守的な格好をしろ」

ということになります。

逆に言えば、

「自分の好きな身だしなみで働きたければ、偉くなれ」

「偉くなってから、好きな格好をしろ」とも言えるかもしれません。

たかが身だしなみごときで、何もそこまで。。と思うのですが、そうした詰まらないことに執拗なまでにこだわる人が一人くらいはいるもので、足元をすくわれてはたまったものではありません。

身だしなみとは、軍隊でいうユニフォームであり、戦時中に兵隊がパーカにジーンズでカジュアルに着こなしてはいけないのとほぼ同義なのです。

兵隊でいうパフォーマンスが、狙撃術や体力で単純に評価されないように、サラリーマンでいうパフォーマンスも、単なる頭の回転の良さや記憶力では評価されません。

もっとファジーで大切なものが、入ってくるからこそ、世の中のマネージャーは部下の評価に四苦八苦し、human resource management(人事)が組織の枢要部門として位置付けられるのでしょう。

そして、人事上の評価項目の一つが「身だしなみ」、であるのなら、迷ったらこうしてみれば、とりあえず大きな過ちにはならない、といったベンチマークを知っておくのは、決して無意味なことではないと思います。

というわけで、大きなルールの次に、細則である小さなルールを論じます。

スーツ

昔はタック隆盛時代もありましたが、時代は移り変わるものです。

今は、野暮ったくみえるので、ノータック一択です、特に若手は若さを見せるのも仕事の一つなのですから、ここはスマートにノータックで決めましょう。

裾はシングル、ダブルありますが、シングルのほうがすっきり見えます。よほどの理由がない限り、ダブルは年季が入った感じを与えます。

色は、黒、チャコールグレー、濃紺がオーソドックスです。銀行員といえば、紺のスーツという印象もあるのですが、実は紺は少しカジュアルに見えるし、明るい色のもあるので避けたほうが良いでしょう。

柄は、ストライプ(薄いストライプ限定)か、無地で、チェックは避けましょう。

あと、オーダーか、吊るし(既製品)か、ですが、今はパターンオーダーという便利でリーズナブルな商品があるので、これを利用したほうが綺麗に着られます。

吊るしは、サイズが合っていないと悲惨なので、店員の腕と良心に一定程度左右されます。

ブランドものか、否かは実は誰も気づかないので、ブランドものである必要はありません。

同様に価格帯も特段縛りはないのですが、僕が今まで聞いてきた、着てきた感じだと、安物だとしても、上下で3-5万程度のスーツを着たほうが結果的に長持ちしていたような気がします。

それ以下の値段のスーツだとどうしても、生地、シルエット、縫製、何かの質を大幅に落とさざるをえず、結果として上の価格帯のスーツと比べて圧倒的に早く痛みます。

見た目がクタクタのスーツを着ているサラリーマンがどれだけ見すぼらしいかは、働いている人であれば、誰でもお気付きのことかと思いますので、上下で1万のスーツや19800円のスーツは避けたほうが良いでしょう。

ただ、一方で良いものを求め、有名デパートで買うとうん10万円はなくなってしまうので、スーツカンパニーやオーダーのスーツをつくってくれる安いところで、3-5万のレンジの色違い・柄違いを揃えて、最終的には5着揃えたいものです。

スーツは毎日着るとすぐに痛むので、せめて週1ペースで着まわせるくらいは揃えるのが、結果的に買い直すサイクルが短くなり安く済みます。

もっというと、3万台程度のスーツ2着、4万台の2着、8万程度の1着というように、少し価格帯を変えたほうが気分も変わって、仕事にも精が出ますね。

また、スーツもその時その時のトレンドがありますので、ちょくちょく売り場を観察して、明らかに自分が着ているものが古くなってきたら、買い替えを検討したほうが良いでしょう。

ただ、感覚的には一度買えば5年は持つけど、10年は持たない、くらいだと思います。

上記を目安に、スーツの痛みを勘案の上、適切なサイクルでの買い替えをしましょう。

偉い人は、人を見るときに、まず靴から見定める、という格言もあるくらい、身だしなみを構成する上で重要なファクターですよね。

思うに、靴の手入れって正に伝統的日本企業で求められる小まめな気遣いが最も表象される部分なのだからではないかと思います。

とっても面倒くさいし、目立たないけど、継続的にメンテした場合と、していない場合で、大きな違いとなって現れる部分で、そういうincrementalな努力を知らない人間が、きめ細やかな仕事ができるわけなかろう、という類推が働くのかもしれません。

靴もこだわりだすと本当にきりがなくて、それこそオーダーで作れば数十万とかそういうレベルから、1000円で買える安物まで様々です。

まず、気にすべきは、合皮か、本革か、です。これは、本革一択ですね。

今は、完全に本革派なんですが、実は過去には「合皮のほうが安いし、雨の時も傷まなそう。手入れも楽そうだし、いいことづくしじゃないか。これは試すしかなかろう。」と考え、合皮の革靴の中では比較的高い8000円くらいものを10年くらい前に買ったことがあるんですよね。

そしたら、本革との違いに愕然としましたね。

具体的には、とにかく蒸れる。

どれくらい蒸れるかというと、まともに10分歩けないくらい蒸れます。歩いていると、靴下が濡れてきて、むずかゆくなるくらい蒸れました。水虫になるんじゃなかろうかと思うくらい。また、会社で履いていても、蒸れます。防水仕様だから、雨の日こそ履くのに、雨の日は特に蒸れる笑。もう履いてられなくて、会社で席についている時は常に脱いでました。

合皮って、結局ビニールなんですよね、通気性皆無なんです。一方、本革って結局は人間の皮と同じで、きちんと水や空気を通すんですよ。ゆえに傷みやすいところもあるんですけど、人間の皮膚が、クリームをぬって保湿したら長持ちするように、本革の靴も同じようにメンテナンス次第では長持ちする。

もちろん、技術革新が進んで、それほど蒸れない高機能型合皮靴が、今は市場には流通していて、上記のような欠点は一定程度解消されているのかもしれません。

でも、価格差や耐久性を考えると、正直な話本革を選ばない理由はありません。あまりに安い靴だとメンテする気も失せるでしょうしね。ユニクロのシャツをドライクリーニングに出さないようなものです。

で、具体的にどのレベルの革靴がいいかというと、2万以上であればオーケーです。セールだと30%オフとかで売っているので、2万以下で買えるケースもあると思います。できれば、セール後の価格で2万以上で売っているのが、フォルムも綺麗で歩き心地も快適です。

輸入品だと、良いものを買おうとすると3万以上はするので、国内メーカーで十分良い品が手に入ります。スコッチグレインやリーガルで選べば間違い無いでしょう。

色は当然のごとく、黒ですが、ちょっと遊びをもたせて濃い茶色とかでも、職場によっては許容されるかもしれません。

柄は、実は少しくらいならついていてオーケーです。柄というか、紋様に近いものですね。小さい穴が空いていて、細工が施されているものもたくさんありますが、この細工はなぜか見逃される傾向にあります。

靴そのものと同等レベルに重要なのが靴のメンテナンスです。

まず、シューツリーは必ず買いましょう。無印とかで、2000円前後で売っているもので十分です。レッドシダーの良い匂いがするものが、消臭効果もあり良いでしょう。

シューツリーは靴の形を保ち、消臭、湿気を抜くために必要不可欠です。これなしで、新聞紙を入れても良いですが、毎回入れるのも面倒臭いので現実的では無いでしょう。

また、1ヶ月に1回は、きちんとクリームをつけて磨きましょう。

靴の磨き方は、色々と流派があるのですが、試行錯誤した結果見つけた僕なりのbest way

  1. ステインリムーバーで数的布に垂らして、靴全体の汚れを丁寧に布で除去する
  2. デリケートクリームを百円玉くらいの大きさで布にとって、全体に塗る
  3. 乾いたら、靴墨を豚毛のブラシにつけて(少し)靴全体に伸ばす
  4. 綺麗な布で全体を磨くと、ピカピカに光る。

この工程を大体10分から20分間かけて行います。

あるいは、時間が惜しい人は、きちんと丁寧に磨いてくれる靴磨きやさんにアウトソースしても良いでしょう。

あと、雨の日は、アメダス等、雨よけのスプレーをきちんとかけてから外出必須ですね。これを怠るとあっという間に傷みます。

また、雨に降られた日は、そうそうに帰って、新聞紙の上に置き、シューツリーを入れて乾くまで放置です。じゃないと、またもや皮は傷みます。

さらに、使った後、シューツリーを入れる前に必ず、馬の毛のブラシで全体のホコリや汚れを払うことです。これもやった、やらないで、靴の寿命が数年単位で変わります。

まあ面倒臭いことも多いんですけど、靴磨きは気分転換になるので、音楽でも聞いたり、テレビでも見ながらやると良いと思います。

靴はスーツ以上に見られるので、とにかく定期的なメンテを怠らず、プロフェッショナルな靴を履きたいものです。そんなことで少しでも信頼を得られるとするならば、安いものなのではないでしょうか。

また、スペースの問題もあると思うのですが、靴も5足を回すのをお勧めします。

スーツと同じように、毎日履いてると、すぐに傷んでしまうのですよね。

長い目で見ると、5足を回したほうが安く済みます。初期投資はかさみますが、それに見合う価値がある、ということです。

毎日同じ靴でも飽きてしまいますしね。

シャツ

形状記憶安定でも良いのですが、ペラペラのシャツは安っぽい印象を与えるのでやめましょう。

この時代、1枚3000円もあれば、綿100%の質の良いシャツは日本では買えます。

色は、あまり濃すぎなければ何色でもオーケーですが、若草色やからし色は避けたほうが良いでしょう。柄も、チェックや無地が無難ですが、マイクロドットやストライプでもオーケーです。

ポリエステルは、汗をかいたときに張り付くので、よほどの事情が無い限り避けたほうがいいかもしれませんね。

今は、先ほど述べたように、綿100でも安価に手に入ります。

シャツの枚数は10枚以上です、そんなにいらないじゃ無いかとお思いの方もいるかもしれませんが、5枚で1週間、クリーニングに出して、また5枚きてクリーニングに引き取りに行く、というサイクルで、取りに行く手間と、出しに行く手間の重複をなくすためにも、10枚以上必要なのです。

カフスボタンは、つけても良いと思いますが、派手過ぎないものにしましょう。

ネクタイ

ニットタイや異常に細いネクタイはやめましょう。

色は、可能であれば、シャツと調和したほうが良いです。暖色系、寒色系で揃えるのは基本ですね。

こちらもシャツ同様に、セール時に5000円も出せば、綿orシルク100%の厚手のネクタイが買えますので、ぜひそちらを選んだほうが良いでしょう。

タイはできれば10本は欲しいところですね。週に2回同じタイをつけて会社に行くと、これもスーツや靴と同じで、頗る早く痛みます。

また、スーツや靴に比べて、飲み物や食べ物をこぼしたり、ダメになるまでの期間が意外と短いです。10本でも、決して多い方ではありません。

比較的個性を出しても叱られない部分なのですから、10本くらい用意して、自分なりの好みを反映させ、やる気を醸成すると良いです。

毎日、鏡に向かって締めるものですから、妥協はしたく無いですよね。

結び方はダブルノット、シングルノット、ウィンザーノット、とありますが、3種類をそれぞれ数ヶ月試しましたが、シングルノットが最も早く結べますし、結び目も綺麗です。ディンプル(真ん中のくぼみ)も簡単にできます。

・時計

今はしない人もいるので、悩みたく無いのであれば、しなくてもオーケーです。

しかし、もしつけるのであれば、G-SHOCKや、スポーティなデジタル時計は避けたほうが良いでしょう。

ブランドものでももちろん良いですが、まあ最低でも10万以上しますね。

一本くらいは高級時計を持っていても良いような気もしますが、必要性を感じないのであれば、SEIKOのそこそこの値段(2-3万)のでも良いと思います。

ハマる人はハマるし、趣味にする人もいるので、奥が深いのですが、僕自身はかれこれ数年はつけてないですね。

もしもの時に、ということで、23本はちょっと高いのを持っていますが、ここ何年かつけたことがないです。

高いものは修理も高い(overhaulという年1回のメンテに数万)ので、それが気がかりなんですよね。

時計は、気に入ったものがあれば、1本でも問題無いかと思います。

スーツに合わせて、これをつける、というのも、マニアで無い限り、こだわる必要は無いでしょう。

髪型、ヒゲ

これで最後です。

ヒゲは論外ですね、ほとんどのケースで許されません。

ヒゲを剃り忘れた人は、会社でも剃れるように、使い捨てカミソリはいつも用意しておいたほうが良いでしょう。寝坊して髭を剃れない日も何年か働いていてはあるでしょうからね。

髪型は、基本長髪はアウト、短ければ、ある程度は自由な髪型が許されるようです。実は、これに抵抗を感じて、伝統的な日本企業を避ける人も少なくありません。幸いにして、僕は長髪志向はなかったので、助かりましたが、長髪を嫌だと思ってる人はいます。

ワックス等の整髪剤は、控えめにでも良いので、つけたほうがベターです。

あと、これは意外と重要なのですが、遅くとも2ヶ月に一度は必ず髪を美容室に切りに行くことです。理容室ではなくて美容室です。

理由は本人が思っている以上に、見た目の印象が改善されるからです。

ある意味、月一でさえ行っていれば、見た目も3割り増しのようなゲレンデの男女のような現象が起こります。

他の人の美容室に行く頻度が少ないからこそ、ここは頻度を多くして違いを出し、容易にアピールできるポイントでもあります。

長くなってしまいましたが、これをベンチマークに、ここの状況に調節して、迷った時は、大きなルールに立ち返る、これで身だしなみにかかる大きなミスを回避できるとともに、周囲の職員からも清潔感をもって見られることかと思います。(とても重要です)