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職場のランチ論

StockSnap / Pixabay

職場のランチ、外資・日系の違い

今回は、職場のランチについて、論じます。

皆さん、職場のランチについて、どのように感じますでしょうか?

ランチはランチだよ、自炊しているから関係ないよ、という人もいれば、毎日デスクでコンビニ弁当食べてるからね、たまには美味しいものを食べたいね、という人もいるでしょう。

ただ、大多数の人は、職場のランチに何やらネガティブな感情を抱いているようです。

といいますのも、この記事を書く前に、「職場のランチ」で検索をかけると、次の候補ワードとして「苦痛」という文字が出てきたからです(笑)。

リンクを辿ってみると、なぜか皆で一斉に行かないといけないのが苦痛、昼くらい自分の時間を確保したい、という人も、話が盛り上がらないし、仕事の話をされるのが嫌だ、もう少しリラックスしたい、という人もいました。

いずれにせよ、概ね職場のランチについては、良い印象を持っていないようです。

僕が周囲に話を聞く限りでは、伝統的な日本企業では、外回りのある純然たる営業の方を除いて、概ねチームでランチに行くことが多いです。

実のところ、僕が過去に所属してきたチームも、同様にチームでランチに行くことが多かったです。

一方、外資系企業は、どうかというと、僕が聞く限りにおいては、チームでランチに行くことはまずありません。なぜなら、ランチをどこで食うも、食わないも、すべて自分で決められるからです。たまたま一緒に行くことはあるのかもしれないけど、暗に強制されることは少ない、同調圧力が強くない。

これは、外資がどうのこうのというよりは、結局、そういうのを嫌いな人が日系を離れて外資に移っているということでもあります。つまり、そもそも、気にしない人が集まっているにすぎない、と。ただ、チームランチが毎日強制されないのは事実として、だからといって社内政治が全く存在しないかというと、そんなことはなく、摩擦を恐れない文化だからこそ、むしろ露骨な点数稼ぎ、足の引っ張り合いがあったりしますから、その点は留意したほうがいいでしょう。

ただ、まあ、明確に定められたルールの中で、公然と争いをするのか(外資に多い)、ルールがようわからん中で、相手の動きを想像しながら、表面はニコニコ、裏では陰湿にこそこそと争いをするのか(日系に多い)、その辺りは個人の好みなんでしょうね。

さて、日系の会社に話を戻して、それでは、職場のランチの何が問題なのでしょうか?

職場のランチが嫌がられる理由

嫌がられる理由としては、実際に僕が嫌だと思ったこともありますから、沢山あげられます。

  • ランチは自分一人で食べて午後の仕事への英気を養いたい
  • みんなでランチに行くと食べるスピードを合わせなければならず、時間の無駄である
  • そもそも、ランチくらいカジュアルトークを楽しみたいのに、深刻に仕事の話をすることがある
  • 自分が積極的に話題を提供して場をリードすることが期待されておらず、単に相槌だけを打つためだけに一緒にランチに行くのは意味がわからない
  • 一見、強制じゃないように見えて、一緒に行かないと同調圧力にさらされ、あいつは協調性のない子供みたいなやつ、と非難される

では、職場のランチ(チームの皆でランチすること)は絶対悪で、忌み嫌われる存在でしかないのでしょうか。

今回は、折角ですので職場のランチの悪いところだけでなく、良いところも両にらみでみつつ、悪いところを最小化し、良いところを最大化するには、どのように攻略すべきか、といった点をお話しします。

職場ランチの良い点

まず、ランチの最適化戦略を述べる前に、伝統的日本企業におけるランチとは、どのような意味合いを持つか明らかにしておきましょう。

ここまで、上司がチームでランチに行くことにこだわるからには、相応の理由があるわけです。ここは一旦、職場ランチ悪玉論は横に置いておいて、職場のランチが上司なりチーム全体の利益にどのように資するか、という観点で考えてみます。悪い点は、すでに上に述べた通りですので、ここは良い点を見てみましょう、ということです。

一つ目は、やはり情報共有の場として機能するからでしょう。

まず、上司目線では、改めて、かしこまって打ち合わせを設定するまでもないけど、ちょっと気になっていること、や、プロジェクトの大まかな進捗は、このランチの時間を利用して共有してほしいと思うことでしょう。実際、オフィスだと少しかしこまった形になってしまって、「そんなくだらないことで、俺の時間取るなよ」と言われてしまうことも少なくありません、ですので、「ちょっとしたことは、このランチの時間を使って消化してくれよ」と。毎日1時間あるわけだから、効率的に仕事を進めるには、このランチの時間を有効活用したほうが良いというのは、事実としてありそうです。いちいち、上司の時間を確保して、その度に瑣末な事項を相談しているようでは、いつまでたっても仕事も進まないし、成長しているように見えないですもんね。

この点、論点を整理した上で、ランチでさらっと上司にコメントしてもらえれば、どんどん先に進める、というのは、上司にとってこの上なく楽で、安心して仕事を任せられる、というのはあるでしょう。所謂、報告、連絡、相談のカジュアルな情報共有の場として活用してほしい、そして活用することが、自分にとってもプラスになる側面がある、と。

更に、部下目線で見ても、プラス要素はあると僕は考えます、例えば、上司自身も、オフィスでは話せないけど、ランチの場だからこそ話せるセンシティブな話題もあり、それらの話題から、組織で生き延びていくための有用な示唆が得られることも多かろう、と思います。具体的には、部門の人事関連の話、普段触れることはないトップとのやり取りから得られた示唆(今後の方向性、トップが考えていること)、仕事に関連するニュースについて上司が何を考えているか、上司自身の趣味や好み等、実のところ、意識せずに聞いていると「あー退屈だ」と聞き流してしまいがちなのですが、部下に取っても、この上ない貴重な情報源となることがあります。

以上のように、上司から見ても、部下から見ても、情報共有の場として双方にとってベネフィットが得られるからこそ、ランチをチームで皆で行くことが期待されている、というのが、一つ目の理由です。

二つ目の理由としては、ランチなんて一人で食べても場持ちがしないし、上司のチームに対する権威発揚の一つの場なのだから、部下は何も考えずついてくるべき、という考えです。

例えば、周りのチームのほぼ全員がチームで食事しているのに、自分の上司だけが、一人で食事に行って、一人で帰ってくる、というのは、チームとしてのマネジメントがきちんとできていないのではないか、と軽く見られるのを恐れて(というか嫌がって、)、チームランチを半ば強制してしまう、というものです。

確かに、会社、特に、伝統的日本企業では、パフォーマンスベースで大きな差がつかないし、大胆なこともやれない分、「部下をきちんとコントロールしていざという時に無理を言えるくらいの権力を日頃誇示しているのか」ということを確認するための一つの行為が、「ランチをチームで行くことを強制できている」ということに何故か収斂されてしまう、ということはありえます。なぜなら、日常的に自分の力を示す、わかりやすい機会が、まさにランチのタイミングだったりするわけです。どんなに自分が早く仕事が片付いて、ランチに行くタイミングを早めたかったとしても、上司がきちんと仕事を終えるまで、ハチ公の如くひたすら待って、「ランチ行くぞ」の掛け声とともに席を立つということを徹底させている、という規律ですよね。

その規律さえ守ることができない奴が、でかいプロジェクトを仕切れるわけがない、と周囲に見られたくがないがゆえに、皆で行くことを無意識的に期待している、という。

この周囲からどう見られるか、という伝統的日本企業では特に強烈に働くメカニズムが、ランチの現場でも機能している、ということです。これが二つ目です。

三つ目の理由としては、教育的側面、というのもあるかと思います。これは、人によっては大きなお世話だったりするのですけど、所謂ランチくらい我慢できないと、この先、幾多と訪れる目上の人との会合や取引先との場持ちなどで苦労するから、日常的に鍛えておけ、と。

また、理不尽なことが日常的に生じる社会人生活において、ランチに強制的に同伴させられて、ひたすら笑顔で相槌をうつくらい、空気を吸うようにできないと、困るから、その練習の場だよ、と。

部下からしてみると迷惑極まりないし、その真意は伝わりづらいのですが、今考えてみると、一種の仲間として認めてもらうためのhardshipとしてランチ随行を求める、というのは、あるかなぁと思います。

特に、会社に入ったばかりの1年生などは、チームランチで正しく振る舞えなければ、外部の人間と食事する際に、正しく振る舞えるわけがなかろう、と。外部に恥を晒す前に、リスクが少ない内部で恥をさらして、直すべきところは、直しましょう、とそういう教育的な側面はあります。

練習の機会なんだから、それを無駄にするな、と上司やチームの心意気に全力で応じろ、と。

これが3点目です。

では、やはり行くべきなのか

ここまで話した限りだと、じゃ、結局のところ、行くべき、と僕は考えているのかというと、半分noで、半分yesです。

具体的には、配属、異動してから半年は、一緒に行く、という風習に付き合い、上記のようなエッセンスを学ぶのは、決して無駄ではありません。ランチに行く、という行為は、社内スキルだけど、ランチを利用して効率的に仕事を進めたり、関係を構築する行為は、社外スキルに該当するとも思います。

ですので、僕が考える最適な職場ランチは、いつものように一足飛びに理想形に持っていくのではなく、3 phaseからなります。

1st phaseの期間は、人によって異なります。一般に、新入社員の人は、ランチから学ぶことも多いため、それを忌避して悪い印象を与えるデメリットを考慮すると、最初の半年くらいは随伴したほうが良いです。そこで悪い印象を持たれて、コミュニケーション能力に難あり、とか断定されると、それだけで仕事が教わりにくくなりますし、社会人の始めでそうした無用な制裁を受けると、性格もひねくれ、その後の成長にも差し障りがでます。それよりは、まあ半年くらいは、ランチを最大限に生かして、働きやすい環境づくりに尽力するのが良いでしょう。

新入社員ではなくて、それ以外の既に会社に何年もいる人は、せいぜい1ヶ月-3ヶ月くらいで良いでしょう。

そして、2nd phaseは、自分がある程度仕事を覚えてきたけど、まだ不安が残るくらいの時期です、この頃から、週に1-2回は、自席で食べる、他の会社の人と食べる、一人で食べに行く、などとして、「別にチームランチが嫌なわけではなくて、自らのスタイルとして、こういう昼食の取り方を好むんだ」という色を出していく、ということです。チームランチを一気に離れるという極端なアプローチではなく、徐々に離れていく時間も設けていくという探り探りなphaseと考えるのが良いでしょう。その中で、明らかにチームの皆の敵意を感じた場合は、phase 1に戻るのですが、仕事をそこそここなしている人間に対して、週に1-2度のランチ云々で小言を言う人間は多くはないので、それほど気にしなくて良いはずです。

3rd phaseは、ランチの力を借りずとも、仕事は問題なく回るし、周囲に心配されることはない、という段階になった後に訪れます。正に、「自分のやりたいようにランチをとる」phaseです。一人で食べたければ、一人で行くし、時間がない時は自席で食う、友達も食べに行く、それについて、周囲を気にせず、やりたいようにやる、そしてやれるだけの実力を身につけている時期ともいえるでしょう。

しかし、だからといって、チームランチを根絶して、金輪際行かない、と決めつけたほうがいいかというと、僕はそうは思いません。

週に1度なり隔週では、チームランチに随行することをお勧めします。

といいますのもですね、僕自身もチームランチがあまり好きではなくて、とても早食いであまり時間をかけずにランチをとりたいタイプなので、最初は苦痛で仕方なかったのですね。で、ある程度何をしても文句を言われなくなってから、一人で食べたり、自席で食べたりとか、するようになって、久々に皆でランチに行ったのですが、意外なほどに僕自身は楽しかったというか、いろいろな情報を仕入れることができた。それは、上司の考えだったり、裏話だったり、人事情報だったり、会社の方向性だったり、様々なのですが、オフィス内では話してくれない話を進んでしてくれたんですよね。で、僕はタバコは吸わないのですが、これってタバコ部屋みたいなものなんじゃないか、と。重要事項はすべてタバコ部屋で決まる、というほど、伝統的日本企業では、タバコ部屋でキーマン同士の情報交換が行われていると聞きます。そして、そこには、オフィス内より本音で話せる独特な、妙な雰囲気があります。ランチの場も、そこまで腹を割ってという感じではないですが、オフィス内よりは素顔が見られる雰囲気が強い。ですので、まあ、毎日とは言わないまでも、たまには、チームでランチに行く、というオプションは捨てないで時々行使した方が良いでしょう。

結局は、仕事の実力

さて、色々と話しましたが、ランチの話も、最後に行き着くところは、仕事の実力があるかないか、という話になるのではないでしょうか。

実力さえあれば、ランチごときで云々言われることはないし、ランチごときに頼らずとも仕事などバリバリ進められる、逆に仕事の実力がないと、ランチくらいは気を使えよ、とか、ランチの時にちゃんと報連相しないと状況がわからん、とか、常識を身に付けるためにランチくらい一緒に来い、とか、茶々を入れられがちです。

ですので、今回、トピックとしてランチを取り上げましたが、結局は、1日も早く一人前の仕事ができるようになること、でしかなく、トピックとしてはいまいちな選定だったかもしれませんね(^^;;)。