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サラリーマン:傍観者としての会議最適化論

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伝統的日本企業における打合せ・会議が嫌われる理由とは?

皆さま、打合せや会議はお好きでしょうか?

大抵の人、特に伝統的企業の若手(10年目くらいまでを指します)の方で打合せ・会議が好きな人は少ないのではないでしょうか。

それはなぜか、その理由として僕は以下3点と考えます。

まず一つ目に、自ら発言権がないにもかかわらず参加が強制されることです。本来的には、打合せや会議は闊達な意見出し・議論が交わされた結果、より良いアイデアや選択肢が浮かび上がるものですが、伝統的日本企業における打合せや会議は、若手に発言権がないものが多々あります。それは、ちょっと上の人が仕切る打合せだったり、ちょっとした偉い人がでる会議だったり、若手が発言すると、その場が凍りつき、そのまま閑職に追いやられるんじゃないか、とも思わんばかりの空気に支配されます。上司をふとみてみると正に鬼の形相、その会合の後、大目玉を食らうことは間違いない、そんな会議が結構よくあるものです。そんな会議出させるなよ、ということなのですが、ここは悲しき年功序列、若手は打合せ・会議の設営(会場設営、会議資料の印刷、席次作成、参加者のスケジューリング、ご案内)を命令されることも多く、その流れで「勉強になるから」という名目で出席させられ、その打合せや会議の議事録を取らされることになっているのです。有り体に言うと、存在意義がないにもかかわらず打合せや会議に出席させられることが多い、伝統的日本企業では、それが仕来り、習わしです。で、そんな打合せ・会議なんて出ていても面白くない、だから嫌い、それは至極当然の帰結かと思います。

二つ目の理由としては、時間が長いことです。本来的には、会議というものは会議のobjective(目的)を共有した上で、その目的を達成するために全員が協力して、最短の時間で最大の成果をあげることに尽力すすべきものです。しかし、時に伝統的日本企業における打合せ・会議は、皆で辛い状況だということをただただ共有して、うんうん頷くだけの時間となります。つまり、何らかの意思決定をすることなく漫然とその場の空気・境遇・危機感を共有するためだけの時間で、ゴールがないものだから、とにかく時間がかかる。事実、3時間超の打合せ・会議(当初は1時間予定)も少なくありません。もちろん、その打合せ・会議に出ていること自体も苦痛なのですが、何より苦痛なのは、その時間自分の仕事に当てられれば今日は早く帰れたのに、会議に参加したばっかりに深夜残業になってしまうという悲哀ですよね。そして、こんな意味のないことをするくらいだったら、もうやめて各々作業しましょうよ、など言おうものなら袋叩きとまではいいませんが、「お前、それ言っちゃお終いだろ。」というような不文律を犯した極悪犯罪者的な視点でみられることになります。まあそんなのいやに決まってますよね笑。

三つ目は人間の自然な生理的現象に根ざした問題です、それはつまり、打合せ・会議の場は眠くて堪りません。にもかかわらず、絶対に眠ってはいけない。participationも求められず、単なるオブザーバーとして枯れ木も山の賑わいがごとく人数合わせとして出席しているだけにもかかわらず、なぜか眠ってはいけない。まあ、これって単純に苦痛ですよね、なんせ3大欲求のうちの一つ睡眠欲を抑制しろってことですから。なので、これが3点目です。

三つの理由のうち最も留意すべきは、三番目

ところで、ここまで、打合せ・会議が嫌いな理由を列挙してきました。もちろんのことですが、全ての打合せ・会議が、この三つの要素を兼ね備えているわけではありません。例えば、自らが主催しリードする打合せについては、自分の好きなように進められるわけで、そもそも自分がファシリテーターの打合せでは眠くなることも、必要以上に長くなることもありません。そうした打合せ・会議は、粛々とあるべき姿で進めればいいのです。

問題となるのは、上記な嫌な理由が満たされた会議にどう対峙するか、リアクションするか、そういうことですね。ただ、実は、上記三つの理由のうち有効な対策が講じることができるのは、最後の一つだけだったりします。そして、上記三つの理由のうち有効な対策を講じるべきものも、最後の一つです。

では、三つの理由の最後「眠いけど眠ってはいけない」がなぜ最も重要で留意すべきなのか、考えてみましょう。

まず、一つ目、二つ目の理由について対策を講じる必要はそれほどない理由をサクッと片して行きましょう。まあ身も蓋もない言い方をすると、そもそも講じるべき有効な対策が存在しないからです。一つ目の理由なんて、もう避けられないですよね。出ろ、と言われたものに、「いや、僕は仕事があるので、その打合せにはでられませんし、出たくありません」とは、とてもじゃないが言えないでしょう。もしかすると、5回に1回くらいで明らかな繁忙期であれば、それが通じるのかもしれませんが、毎回は使えません。講じることができる対策といえば、偉くなる、ことくらいしかないですけど、年功序列の制度の中ではそれもままならない。人事制度に手を入れるほかないという、とても大きな改革になります。まあ、若手の会議参加を軽減するために、人事制度に手を入れる伝統的日本企業、、、というのは、ちょっと想像つきませんよね。

二つ目の理由も、じゃその上席がうんうん悩んでいて、皆が苦悩を共有している重苦しい雰囲気の中、「時間勿体無いんで、今日何を決めるべきか、次までに何をすべきか、さっさと決めませんか?大変なことは重々承知していますけど、その状況についてうんうん唸ったことで妙案がでるわけであはないですし。」とか、言えますか、という話ですね。まあ、相当の胆力を持った人間ではない限り、こんな不遜な態度で上席を糾弾することなどできないし、するべきではないと思います。なので、会議の時間についても、uncontrollable factorであって、これらの要素は前提条件として処理してしまいましょう。現実的には、そういうもので、それを踏まえた上で何ができるのか、と。

それで、三つ目の理由ですが、人によっては、「眠いものは眠いし防ぎようがないから、これも前提条件として処理すべきだ、そうすると、講じるべき対策なんて一つもないじゃないか」、というかもしれませんが、僕はそうは考えません。眠たいけど眠ってはいけない中で、何ができるか、ここを押さえておくのが、不毛な打合せ・会議出席をどう有効に使うのか、を考える上で、キーとなる要素であると考えます。

じゃなぜ会議で眠ってはいけないのか?

で、そもそも、なんで打合せ・会議で眠ってはいけないのか、これ、考えてみたんですけど、意外と根深い問題なんですよね。神聖な会議の場をお前の寝息で汚すとはどういうことだ、という、会議聖域論を主張する人もいるのですが、僕は会議聖域論には反対です。どんな会議であっても絶対に眠くなるし、会議自体が聖域だから眠るべきではない、とかいっても、偉い人って結構寝てることあるじゃないですか。なので、会議は聖域なのだから、眠くなること自体おかしい、とは誰も思ってはいない、というより会議というのもそもそも眠くなるような代物だ、という認識は、皆持っていて、その上で、なお寝てはいけない、と。我慢しろ、と。この我慢、忍耐、という点に、なぜ会議で寝ることが問題視されているか、という疑問を紐解く鍵があると思います。

まず、先ほど述べたように、要はキーマンではなく、オブザーバーとして、枯れ木も山のにぎわいの下っ端として打合せや会議に参加している、ということは、眠ること自体は場のパフォーマンスには特に影響を与えないわけです。じゃ一体何が問題なのか、というとですね、会社で働いていると色々な理不尽な降りかかってきますよね。よく分からないけど叱責されることも、帰りたいのに帰りれないこと、行きたい部門に行けずになぜか最も行きたくない部門に行かされること、一方で周りの皆は意外とやりたい仕事をできているとか、人一倍頑張っているのに評価されていない、とか、本当に良いサービスを作ったのに上の一存で握りつぶされたりとか、まあ普通に何年か組織で働いているとそうした局面に遭遇するわけですね。でですね、社員一人ひとりが、こうした理不尽に対して我慢せず、本来あるべき正しい状態に戻すべく抗議なり具体的なアクションを取ったらどうなるか、まあ普通に会社って成り立たないと思いますよ。行きたくない部門に行っても、嫌々ながらも必死になって働く人間がいるからこそ、何とかかんとか組織は回っているのですよね。個人の評価なんてその最たるもので、できるだけ定量的な評価をする、としていても、定量的な評価だって極めて定性的な側面が強いものです。例えば、営業部門とかはわかりやすいかもしれません、売上、マーケットシェア、利益、といった所謂主観の入る余地のない数字が評価項目ですから。しかし、例えば、間接部門とかはきついと思いますよ、例えば経営企画部なんて伝統的日本企業で言えばバリバリのエリートですけど、評価項目って定量的たって、「中期経営計画上の目標利益を超過達成する」ですよね。で、その目標利益ってどういう風に決められているかと言えば、当該経営企画部が、「相当なイベントが起こっても余裕を持って達成できる水準」というのをあらゆるシミュレーションや外部リソースを駆使して推計した上で、その推計した水準にさらにバッファーをもたせて甘く設定しているわけですよね。そしたら、一見定量的に見える指標も、その裏には定性的な判断が隠れているものなのです。更に意地悪なことを言えば、客観的な評価項目に支配される営業部門とかいいましたけど、その目標売上高だって、前年の水準を元に決定されますよね、で、例えば、前年の売上を抑えて、次の年の目標を高く設定されないように手心を加えることができるわけです。もっと高度な判断の下には、あえて当該年度の売上を故意に落として、次の年に回して、目標を低くしつつ、超過達成するといったことも可能なわけで、それってやっぱりsubjective(主観的)ですよね。

ですので、話が少し脱線しましたが、組織を運営する中で、主観が入る余地がある時点で、その主観が自分の主観と合わない時には、理不尽というものを感じる人が生じるものです。そして、その理不尽に対して誰もかれもが文句を言っていると、やはり組織運営は難しくなるのです。それ故に、多少の理不尽な事態に対して我慢できる忍耐力を社員は具備していないと、困る、と。

で、ここでようやく本題に戻るのですが、つまりは、本来寝ても問題ない状況で、更に眠たくなる状況でも、なお寝ずにいられる、そんな理不尽に耐えられる精神力、根性が試される場なのではないか、と。単に打合せ・会議に出て事前準備や情報収集するだけではなく、組織で働くサラリーマンとしての重要な資質(理不尽な状況にどれほど我慢できるか)を試されているのが、出ても実質的に意味がない会議に出る意味なのではないか、と、僕はそう思うのです。ゆえに、重要な会議で寝たら、なぜか大きな信頼を失うし、もはや「仲間」とは思われず、会議を離れた本業の場での扱いもぞんざいになる。あと、上席から余計な目をつけられる、悪目立ちする、ミスした時の引き合いに「会議で寝てるくらいたるんでるからだろ」と言われる等、ダウンサイドはいくらでもあげられます。たかが会議で寝ていた(しかも実質的には存在価値なし)くらいで、これほど大きな問題に発展するのは、上記のような伝統的日本企業特有の意味合いがあるからではないでしょうか。

では、寝ないようにするためにはどうしたら良いのか。

ようやくここで、具体的な対策に入りますが、寝ないようにするためには、ここではサイバーセキュリティにおけるフレームワークを流用するのが良いです。

つまりは、Preventive measure, reactive measure, recovery measure3phaseアプローチですね。

Preventive measureとは、予防的措置です、それはつまり、そもそも眠くならないような状態で会議に挑めばよいだろう、と。これは病気と同じで、病気にならないように自己管理を日々怠るな、とそういうことです。そして、三つのmeasureの中でこれが一番重要です。

具体的には、以下列挙します。

会議前

* 前の日に深酒しない。

* 前の日は夜更かししない。

* 打合せ・会議の時間は、午前中ご飯前に入れ、午後ご飯を食べた後には入れない。

* 会議の前には、コーヒーを飲んでおく。

会議中

* 会議ではできるだけ発言する(発言すると目がさめる)、ただし、会議での発言すら求められていない会議では発言してはいけない。

* 全く違うことを想像する、週末の予定をかなり細かいレベルまで考える

* レポートや記事(特に日本語)を印刷して読むのはNG(隣から丸見えだし、バレると寝るよりタチが悪いと思われる)

* オススメは、ノートを使ってメモを取っているフリをして、自分の仕事(企画系、構想系)をするです。この場合のメモは、英語(できるだけ汚い字で)で書くようにしましょう、日本語だと他の仕事をしているのがバレます。

こんなところでしょうか。

それでも眠い時はどうすればよい?

しかし、ここまで措置を講じても眠たくなる事態があるでしょう、そのような危機的状況で使うのが、reactive measureです。実際に、眠たくなってもういてもたってもいられなくなったらどうするか、ですね。所詮、危機的事態が発生した際にリアクティブに対応するということですから、できることは限られています。

一つ目は、神妙な面持ちをして考えているフリをするということです。あと、舟を漕がないようにきちんと姿勢を安定させた上で、若干下向きで考えているフリをして寝る、ということです。目を開けるときは、ゆっくりと開けあたかも気づいたことをメモするために起きた、ことをアピールするため、すぐにノートにメモをするフリをすることを忘れないようにしてください。目を開けるときに、体全体をビクッとさせることなど言語道断です。あくまで、物憂げな神妙な表情で目を閉じ、深い深い思索に耽っていたフリをして、その結果考えたことを当然のようにノートに書き綴るために目を開けたフリをして、書いたフリをする、これだけでも単にぐぅたら寝てお舟を漕いでいるよりは断然ましです。まずは、この基本をマスターしましょう。

二つ目は、荒療治なのですが、自分の体をつねることです。で、僕も色々とこの痛みによる眠さ解消を会議中に試してきたのですが、もっとも効果的な場所は、二の腕の内側のプニプニしたところか、内もも、でした。ちなみに、シャープペンなり、ボールペンの芯で手の甲をチクチク刺す、は、その痛みの持続性が瞬間であるため、眠気覚ましには効果はありません。なお、これはテクニック的な話ですが、内ももよりは二の腕の内側をつねることをオススメします。なぜなら、会議中に内もも握ってると、いったいこいつはなにしてるんだ?と怪しげな目で見られ、物議を醸しかねないからです。その点、二の腕の内側だと両腕を組んでいるフリをして、自然な仕草でつねることが可能ですし、適切な強度でつねることで内出血となるリスクも最小化することが可能です。

上記2点が、実際に眠くなってしまったときにできることです。

最後に、実際に寝てしまって、誰かに感づかれてしまって気まずい状況です。

recovery measureとは、実際に眠ってしまって、じゃどうしたらその傷ついたレピュテーションを回復できるのか、というものですね。(ちなみに、サイバーセキュリティの世界では、損害賠償請求をする、ですとか、保険に入る、というのが代表的なrecovery optionとして考えられています。)

これはですね、一番良くないのは、正直に寝ていたことを謝ることです。事実として寝ていて、皆が気づいていたのかもしれないけど、そこはシレッとあたかも寝ていないフリをする、というのがデフォルトの対応となります。なので、自分の罪を告白して自分の気持ちだけ楽になる、というのはダメです。上司は、「何の面下げてんな馬鹿なこと言ってんだこいつは」と思うことでしょう。

なので、まず、寝ていたことは自分の口からは絶対に言及しないことにする。じゃ、それだけで良いのか、というとちがいます。

会議中で覚えている重要な発言やポイント(一つか、二つで良いです)について、疑問や自分の意見を5秒から10秒で世間話的に会議直後に直属の上司に伝える。です、たとえ、寝ていたことが完全に感づかれていたとしても、こいつは目を閉じていただけでポイントは押さえているじゃないかという、極めてネガティブなポイントから0、あるいは少しプラスのポイントまで戻すことも可能となります。

その際に的外れなことを言えば、更に印象を悪化させるので、間違ったことや当たり前のことは言わないようにしましょう。あくまで、自分はこの会議で寝ていたかもしれないけど、ポイントは押さえていたし、自分の意見をもっているし、寝ていることを認めつつも誰かに告白せずにその罪を自分で消化する強さも持っている、とポジティブな面をアピールすることが重要です。

どんな会議も無駄な時間なんてない

上記要点を全てマスターすれば、退屈な会議もたちまち超生産的な時間に変えることも可能です。

どんな会議も作業時間だと考えれば、決して無意味な時間ではないし、嫌いになる理由もなくなりますよね。

眠い時の対策もできているわけだし、もう鬼に金棒です。存在意義のない会議への出席、恐るるに足らず、嫌う理由などない、というのが数々の会議に出席してきた僕の考えです。発想と試行錯誤でなんとかなるもんですよね。