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漫画喫茶・古本自炊・レンタル・電子書籍にかかる評価

emiliefarrisphotos / Pixabay

漫画喫茶か古本自炊かレンタルか電子書籍か

僕は漫画好きです。しかし、漫画を読むためにはコントロールすべき変数がいくつかあります。

まず一つがお金です。どうせ読むなら、安く読みたいと思うのが人の常です。

二つ目が、読むための手間です。読みたい時に読めるのがベストですが、思いついた時に近くの漫画喫茶に行くくらいならまあそれほど気にならないのか等、自分が置かれている環境の中で最も楽で手間が少ない方法で漫画を読みたいはずです。

三つ目が、物理的スペースです。従来、漫画は紙でのみ流通していました。そうなると、毎年毎年漫画を買っていると、いつしかスペースが足りなくなり、どこかで好きな漫画を手放さざるを得なくなります。そんな狭い家住んでるからだよ、との声もあるかもしれませんが、漫画って結構場所とりますよね?というか、沢山集めれば集めるだけ、検索性・一覧性が落ちて、逆に探しにくくなって保有する意味が薄れたりするじゃないですか。僕の部屋は狭くて置けないんですけど、置けば置くほど逆に読まなくなる本も増えてくるという点も問題だと思います。いつでも読めるように自宅においているのに、自宅にある本が多すぎて探しづらくなり逆に読まなくなるという矛盾。じゃ、リストを作って更新しろとか、ロケーションマップ作ったり、位置もDB化すればいい、っていうのかもしれないけど、そうするとそのロケーションマップに沿ったように配置しなければならないし、DBの構築・メンテにもそれなりの時間がかかるので、そんな時間あったら漫画読みたいよ、というさらなる矛盾を抱えることにもなります。(^^;)まあ今は、電子書籍化により一定程度この問題は解消しているともいえます。

四つ目は読む環境です。禁煙者であれば、タバコ臭い部屋で読むより空気の綺麗な部屋で漫画を読みたいでしょうし、誰しも狭いブースで読むよりは広いプライベートな空間で読みたいことでしょう。あるいは、時にはお気に入りのカフェで美味しいコーヒーを飲みながら読みたいと思うかもしれません。

僕の場合、上記四つのファクターを勘案しながら自らの漫画を読む際の幸福感を最大化するために、どのような形態(漫画喫茶、古本自炊、電子書籍)で漫画を読むべきか考える必要があります。

そこで、この度上記ファクターのスコアリングを自分なりに見直して、結果として電子書籍で読むことに落ち着いたので、各形態における上記ファクターの僕のスコアリングを明らかにしたいと思います。

判断に際しては、スコアリングで終わりではなく、スコアリングした上で各ファクターの何を重視するか、という自分なりの重み付けを行なってはじめて、何を選ぶかという判断に至るわけですが、その辺りも含めて書きます。(仕事であれば、重み付けでを数値化して加重平均をとって、とかやりますが、そこまでやると数字遊びの様相も呈してくるので今回はやりません。)

漫画喫茶

さて、僕は大学生になってから正に先月まで漫画喫茶派でした。というのも、お金がない時って特にですけど、漫画喫茶って、上記四つのファクターで考えると、お金のスコアリングを最も重視してしまい、それ以外は二の次、となってしまうのですよね。社会人になってからは仕事もそれなりに忙しかったこともあり、自らの漫画に対するスタンスを大きく見直すことなく最近にまでいたっておりました。つまりコスパのパの部分の多くを金銭的な大小に委ねていたということです。でも改めて考えてみると、漫画読んでる時間も、読後に思索に耽る時間も自らが幸福を感じる瞬間と言って差し支えないほど楽しいのですよね。

で、一念発起(というほどでもないですが笑)して、漫画を読むということは自分にとってどうあるべきか、そのスタンスを取った場合にどのような形態で漫画を楽しむべきか、考えてみようと思い、この記事を書くにいたった、と、そういうことです。

僕自身の話は置いといて、漫画喫茶にかかる上記4ファクターにスコアリングですね。

まず、お金でいうと、かなり安いです。例えば、5時間パックで都内であれば1500円くらいで楽しめます。一冊、30分としても10冊読める。

また、読むための手間ですが、都内であれば主要駅には大体ありますし、僕も徒歩10分圏内に複数ありますので、読むための手間という点でちょっと面倒臭いけれどそれほど障壁になることはありません。

三つ目の物理的スペースという観点でも優等生です。自ら所有せず利用者でシェアしているようなものですから。自らの物理スペースを全く消費しない。

強いていうなら、読む環境。これがあまり良くないですよね。近頃は分煙スペースも充実してきましたが、それでもなおタバコ臭い、カビ臭い。かなり綺麗なところでも、本を置いているところは何らかの不快な匂いがします。喫煙者であれば、何とか我慢できるけど、嫌煙者であればこれは我慢ならない大きな減点材料でしょう。単に読めればいい、ということであればいいのかもしれませんが、漫画って教養であるとともに娯楽ですから。誰しも不快な環境では読みたくないものです。いやいや、最近は個別ブースに分かれていて、匂いが気にならない快適な空間もあるよ、という声も理解できるし、僕も何度かそうした清潔な漫画喫茶を利用したことはあるのですが、そうなると、近くにないとか、読むための手間のスコアが落ちてしまう傾向にあるのですよ。つまり、清潔な漫画喫茶は未だにスタンダードではない。

ただ、環境のマイナス点を勘案してもなお、総合点でいって四つのファクターで評価する場合、かなり高い位置にきます。具体的には5点満点で以下の通り。

お金:5

読むための手間1(東京都心部):3.5

物理的スペース:5

読む環境:2.5

で、ここまで論じてみて、覆すようで申し訳ないのですが、漫画を読む形態を論じる際って、四つのファクターじゃ実は足りないんですよね。

まず明らかに考慮し忘れた点は、可用性(availability)の観点です。つまり、いつでもお目当の本が読めるのか、と。これは漫画喫茶の場合、マイナスの要素になります。なぜなら、漫画喫茶は実際行って見ないとその漫画がそもそも置いてあるかわからない、また事前にウェブで検索できたとしても、それをするのが手間である。で、30分経ったら返還とかそういうシステムがあれば良いんですけど、漫画喫茶では皆まとめ読みしてるので、平気で2時間とか3時間とか待っても返却されないんですよね。返却場所も一定じゃないので、立って待ってるわけにもいかないし、そんなスペースもない。で、挙げ句の果てに返した瞬間、他の虎視眈々と狙っている猛者に奪われたりするという。漫画喫茶では、人気漫画に読む人が集中するというのも、この可用性ファクターの点数を下げる方向に働きます。そんな抜き差しならない状況なので、行ったら読めるのか、という点について大きな不確実性がある。これはマイナス点です。

次に、こちらの方がより根深いのですが、実は漫画喫茶ってそのシステム上、漫画を満喫するためにネガティブなインセンティブが発生する仕組みになっていると僕は思います。

具体的には、漫画喫茶って従量課金性になっていて、長くいればいるほど多くの金を取られます。このような状況下、人は「滞在時間で読む冊数を最大化する」ように行動します。そうなると、本来的には漫画というものは、ゆっくりと丁寧に味わい、自らの人生に生かすべき普遍性を見出すために相応の時間をかけて読むべきところ、「漫画であるということにたかを括り、自分が内容を十分に咀嚼して理解できる速度を超えて読むようになる」ということです。

実は、上記のような問題は例えば20年前はなかったと思います。というのも、漫画の内容も今ほど濃くもなかったし、もっと単純だったんですよね。複雑だとしても1週間あたりの進みが今よりも遅く、ざっと読んでもそれなりについていくことができた。でも、最近の人気のある漫画ってそうじゃないですよね。一コマあたりの情報量がかなり多い。下手したら本格推理小説を読んでるんじゃないかというくらい複雑な人間関係が絡み合い、さらに過去の伏線を消化していたりして、頭を使う。昔ほど簡単にページを先に進めることができない。もしかしたら、これっていわゆるジャンプ全盛時代のドラゴンボール、スラムダンク、ジョジョ、等のあのゆったりとしたスピード感に慣れている僕だからそう感じるのかもしれませんが、例えばテラフォーマーズとか、僕途中からストーリー見失いましたよ笑。

それはお前が馬鹿だからの一言で片付けられるのかもしれませんが、ここは仮説として、漫画喫茶で急いで読んでいるとストーリーを見失うレベルの漫画が増えてきた、と独断で言い切ってしまいます。このような前提に立てば、必ずしも漫画喫茶というのは最適解とはならない。なぜなら、理解できない速度で読んで、結果として浅い理解、あるいはストーリーについていけず何となく絵で楽しむレベルに留まっているようでは、ほとんど読まないことと同じだからです。できるだけ早く読む、というインセンティブの働く漫画喫茶というのは、漫画を読むという本来の意味を無にさせてしまうほど大きなネガティブをはらむと僕は考えます。これが一つ目。

二つ目は、再読するインセンティブが働かなくなるということです。漫画喫茶っていつもいつも新しい漫画を読みにいく所だと僕は考えます。例えば、ドラゴンボールを「再度」一から読むために漫画喫茶に行く、という人は限りなく少ない。なぜなら、金を払ってまで再読したい漫画があるとすれば、それは買う、という行為に傾いているはずであるからです。しかも再読したい昔の漫画は大抵安く売られており、古本で格安で買うことが可能です。で、再読する楽しみって漫画の場合、1度目に読むのと同じくらい良かったり滋養に満ちてたりするんですよね。昔は共感できなかったけど、今改めて読んでみると腑に落ちた、とか、身に沁みる、とか。再読して初めてよさがわかる漫画なんかもあったりして。お気に入りの小説も同じかもしれませんが、漫画を楽しむ、という意味では、再読できるかできないかってのは無視できないファクターではないかと思います。で、漫画喫茶はこの点、再読をしないように人を仕向けるので、僕にとってはネガティブなのですよね。

で、実を言えば、上記ネガティブな二つの要素が僕の中では大きくなってしまい漫画喫茶をあまり利用しなくなったというのはあります。

で、追加した3つの要素も評価軸に足します。すなわち、

その漫画を確実に読めるという点に対して不確実性があるのか、ないのか

自らの理解を超えたスピードで読むことを優先し、コスパを上げるため読む冊数最大化を図るインセンティブが働いていないか

再読を妨げるインセンティブが働いていないか。

です。この点、漫画喫茶は2点、1点、0点、です。

長くなったので、次は、古本自炊、電子書籍を論じます。