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漫画喫茶・古本自炊・レンタル・電子書籍にかかる評価 第2回

Wokandapix / Pixabay

前回の復習→漫画を読む形態の評価軸確認

前回はどの形態で漫画を読むのがベストかという問いに答えるための評価軸を設定して、実際に当該評価軸を使って漫画喫茶をスコアリングしたところです。

具体的には、以下評価軸を7つ設定しました。

・お金(1冊あたりに要するコスト)

・読むための手間(東京都心部)

・物理的スペース

・読む環境

・お目当の漫画を読むことについての不確実性(低ければ低いほど高得点)

・じっくり味わうというよりも自らの理解を超えたスピードで読むことを優先することへのインセンティブ(なければないほど高得点)

・再読にかかるコスト(低ければ低いほど高得点)

漫画喫茶市場概観

さて、前回は漫画喫茶について論じましたが、もう少し漫画喫茶についてマクロ的な情報を押さえておきます。Industry landscapeというやつです。

まず、全国の漫画喫茶(ネットカフェも含む)の総店舗数は、ざっくり2000店舗前後です。市場規模は概ね1600億円だそうです。ソースは、複合カフェ白書2016というレポートがあるらしいのですが、直接は参照することはできませんでした。会員限定とか、有料販売しているんですかね。一応、その白書の情報を参照している違うHPがありましたので、以下貼っておきます。

http://www.adby.jp/download/AdmediaMaterial.pdf

2000店舗で1600億円って、1店舗あたり年間6千万くらいですけど、これってトップラインの売り上げとしてはどうなんでしょうね。儲かるのかな。客単価、1500円くらいが主流といいますから、月に500万稼ぐには、月3000人客が入ればいいんですかね。1日単位でいうと、100人。こう考えると、結構いけそうな気もしますよね。ただ、売上が年間5千万でも意外と儲からないんでしょうね。まず一つに人件費が24時間かかりますよね。それに加えて、漫画、PC購入には費用がかかります。店舗費用もしかり。うーん、素人目には一体どれくらい稼げてるのかわかりませんね。

で、なぜかAOKIグループが複合カフェ(満喫とネットカフェ等を融合させたもの)を運営していて、ディスクロージャーを出しているので、それを読んでみました。

http://ir.aoki-hd.co.jp/ja/IRFiling/Presentation/main/0/teaserItems1/01/linkList/06/link/2017.03.pdf

何と驚いたことに500店舗以上運営しているんですね。で、営業利益率が6パーセントくらい。となると、6000万の6パーだから、400万くらい。人件費等コストを入れた後の話ですから、そんなに悪くないですよね。この低金利環境下で6パーの金融商品ありますかと、いうとありませんからね。仕入れコストでいうと規模の経済はそれほど効きやすくないビジネスですが、教育・店舗経営ノウハウはそのまま使えるでしょうから、一旦勝ちパターンを見つけてしまえば、コンスタントに稼げるもの、ということは言えそうです。ただ、漫画喫茶も立地が命ですからね、他の業態としのぎを削って陣地争いをしている、といったところなのでしょう。AOKIグループなんかは、基幹ビジネスはスーツ販売でしょうし、販売員教育で培ったノウハウと店舗開発力を発揮して、うまくやっているのでしょう。しかし、意外でしたね、あのスーツのAOKIが、漫画喫茶を運営していたとは。。

古本自炊は面倒臭さとの戦い

漫画喫茶について全体感を掴んだところで、お次は古本自炊です。

古本自炊とは、Secondary Marketが成熟している日本においては、新品のものでも安く買えるというマーケットの特性を利用して、古本を安く仕入れ、それを裁断し、Scan Snapで電子化し、PDFで管理することを意味します。

古本を安く仕入れる手段は、古本屋でもメルカリでもヤフーでも構いません。裁断機も幾つか選択肢があります。がしかし、Scan Snapはマストです。他メーカーも商機を見たのか、この自炊市場に参戦すべく商品を出してはいます。廉価品もいくつか出ています。

ただ、僕が数々のレビューを見る限り、スキャンのフィーダーの質(きちんと一枚ずつ取り込めるのか)、スキャン時の画像の質、スキャン後のファイルの取り扱い、です一連のタスクを全て高いレベルでこなしてくれるようなのです。結局、これらのプロセス一つにミスがあると、最終的な完成物の質ですとか、かかる時間に大きな差が生じます。

ですので、皆さんもいろいろ調べるとわかると思うのですが、スキャナーなScan Snap一択ということになります。

では、評価項目を一つずつ見ていきます。

お金(1冊あたりに要するコスト):

古本自炊の特徴的なところは、イニシャルコスト、ランニングコストの二つがあるということですね。まずイニシャルコストは、裁断機とスキャナーから構成されます。

裁断機だと高いものだと4万くらい、安いものだと1万くらい、レビューを見る限りにおいては4万円くらいのものがストレスなく裁断できるようですので、これを選ぶとしましょう。裁断にストレスを感じていると、恐らく自炊自体をやめてしまうでしょうから、そのリスクを減らすためです。

スキャナーは、4万円代です。

そうするとイニシャルコストは8万程度ということになります。

更にランニングコストとしては、書籍の購入代です。古本屋で購入できるとしても、1冊半額からそれ以上するケースもありましょう。特に新しいものほど、新品とはそれほど値段は変わりません。ただ、100円で手に入れられるものもありますので、ざっくり新品の8割くらいを一冊あたりの仕入れ値にしておきましょう。

で、イニシャルコストが8万で一体何冊くらいでスキャナー・裁断機がぶち壊れるか、ですが、ちょっと調べて見ました。

曰くScan Snapで20万スキャンです。ソースは以下の通り。

http://scansnap.fujitsu.com/jp/howto/part3-no12.html

そうなると、一冊200ページが標準的なコミックのページ数ですから、平均1000冊スキャンできる、と考えます。4万を1000で割るので、1冊あたり40円。(定価400円のコミックだと仮定)320円+40円=360円です。

裁断機も寿命が同じくらいかなと思ったんですが、少し調べた結果、上の4万くらいの裁断機だと、1000冊以上は軽く切れ味を維持するということと、替え刃が1万円で売っているようですので、1500冊で刃を替えると仮定して、最初の1500冊が40000/1500ですので、27円、その後の1500冊が10000/1500ですので、まあほぼ無視できますね。均して1冊10円程度としておきましょう。

320+40+10=370円がイニシャル・ランニング双方勘案して1冊あたりに要するコストと考えることにします。

ただ、ここまで適当に数字弾き出しましたけど、一体全体数千冊もスキャンする人ってそんなにいるもんなんですかね。。だって端的に面倒臭くなりませんか?最初の数百は面白半分興味半分で目新しさもあって、続けられますが、その後は苦痛だと思います。

ましてや、5000冊とか、ファイルの整理も困難になるし、やる人がいるとは思えないですよね。ですので、上の試算は鉄の意志をもった人が淡々と生涯を通してスキャンし続けることを前提としたものだということを忘れてはいけません。

と考えると、結構高いですね、そりゃ100円の漫画ばかり読むなら、安くすみますけど、漫画って読み進めるにつれてどんどん最近の漫画に手が伸びるものなのです。その欲望には抗いがたい。なので、漫画好きならでは、ということで、読みたい漫画を読めなければ意味がないので、上記の8割平均で支払うという前提は変えずにスコアリングをします。

スコアリングとしては、2点です。普通に新品を買うよりは多少安いだろうけど、漫画喫茶よりは高い、で、最新の漫画を読もうとすると、新品以上の値段になりうる。また、後々回収できるとはいえ、初期コストが嵩み、上記のコストを達成するまで、回収まで時間がかかる(1000冊forスキャナー、1500冊for裁断機)。これらがマイナスポイントとなり、2点をつけました。

読むための手間(東京都心部)

これはですね、まず、物理的な本を買うという行為が結構面倒くさいですよね。アマゾンで頼んだら1日待たないといけないし、街の本屋に行くなら家をでないといけない。

一旦買った後も、古本なり新品を買ってそのまま読む、という意味ではそれほど大変ではないのです。買って紙で読むわけだから、楽勝です。問題はスキャンした後に電子媒体で読む、という点ですね。楽勝かと思いきや意外と面倒臭いんですよね。まず読むためには当然のことながらスキャンしなければいけません、もっというと裁断しなければいけない。裁断するとゴミもでるので、ゴミ処理も必要です。で、裁断した後、慎重に曲がらないようにスキャンするわけですが、スキャン後はページ飛びがないか確認しないといけませんよね。で、ファイルのネームをつけてストレージに保存して場合によっては、自分が読むデバイスに転送する必要があります。

この一連の動作、仕事から疲れて帰った後にやれますか、という話ですね。大抵の人は、「んなこと、やってられるか」と思うのではないでしょうか。

一旦、自分が漫画を読むデバイスに転送した後は楽なのですが、その前の手前の作業に著しく時間を費やさないといけないというのが、古本自炊の最大の欠点だと僕は思います。

自炊業者使ってもよいのですが、そうすると更にコストが嵩み、普通に買うより高くつくでしょうね。更に自炊業者だと、リードタイムができます、即ち自分が本を送ってから、実際にファイルとして送られてくるまでの時間です。業者もビジネスなので、即納はかなり高い値段ふっかけてくるんですよね。はい、そういうわけで、古本を買って紙で読めるから、1回目読むぶんには問題ないけど、2回目以降電子で読むぶんにはかなり面倒臭いプロセスが必要ということで、2です。

物理的スペース

物理的スペースは問答無用に最高点5です、と最初は書いていたのですが、上でいうスキャナーと裁断機ってかなりスペースとりますよね(^^;)。

ですので、4にしておきます。

読む環境

読む環境も5です、保存してお好みのデバイスに保存すればどこでも見られます。家でもカフェでも。

お目当の漫画を読むことについての不確実性(低ければ低いほど高得点)

これも5です。特に説明は不要かと思います。

じっくり味わうというよりも自らの理解を超えたスピードで読むことを優先することへのインセンティブ(なければないほど高得点)

これもないですね、既にデータとして保存しているわけですから、じっくり読めば良いです。5ですね。

再読にかかるコスト(低ければ低いほど高得点)

データとして保存している訳ですから、再読にかかるコストもありません、と言いたいところですが、スキャンしたデータをそのままPCで読むなら別ですが、大抵の場合、モバイルデバイスに保存して読みます。となると、データ転送がかなり面倒臭い。

そもそも、大量のデータを転送するとなると時間もかかるし、やれデバイスを接続して、外付HDDを立ち上げて、とか一手間かかる。これは結構マイナスポイントかと思います。

ゆえに、スコアは3とします。

合計

2+2+4+5+5+5+3=26

では次回はレンタルと電子書籍をスコアリングします。