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誤字脱字・タイポを防ぐ方法

tiburi / Pixabay

誤字・脱字に対するこだわりは日本独自のもの?

今回は、少し地に足をつけて誤字脱字・タイポについて書きます。

まず、僕の元々のプロファイルと、社会人になってからの誤字脱字との付き合いを思い返してみます。

お会いになった方ならわかると思いますが、僕は伝統的日本企業、しかも金融機関で働いていますが、あまり細かいことはこだわりません。このブログでは、かなり細かいところにこだわっている様を書いているのですが、それは生来僕が細かいところが気になる人間なのではなく、僕はこれくらい意識的に分析的に捉えないと、その細かい部分に気がつかないからです。(つまり、何度も怒られてきて、これくらいは気付くようになったということです)

金融機関で働くものとしては、ハンコの角度なんかをミスるのは正直致命傷とも言えるくらいのミス、資質を問われるくらいの失態なんですけど、僕は何度もしたことがあります。

ハンコの角度って何?って方がいるかと思いますので、ちょっと説明しますと、金融機関っていわゆるハンコ文化なわけですね。

昨今はだいぶ電子化も進みましたが、重要書類はやはりハンコ、なわけです。それで、一番右に自分のハンコを押して、その左に脈々と上司、上席のハンコが並びます。

このハンコの角度が著しく偏っていたり、挙げ句の果てに逆さまだったりすると、せっかく書いた書類(決裁書類であれば、金融機関用語で稟議・稟議書と言います)も書き直しなのです。

真面目な人なら、最後にハンコの角度をミスした場合は、きちんと一から印刷しなおして、という形で、やり直すのでしょうけど、僕は一度どころか二度くらいは「どうせ誰も気にしないだろ、内容に影響を与えるものではないし」と、逆さま(ほぼ180度)に押して、書類を回したことがあります。当然、上司から注意されました、これはないだろ!、って。

でも、当時の僕にとっては、「これはありだろ!」だったんですよね笑。いわゆる、若さゆえに想像力が足りなかった、ということです。ハンコの角度を一定に保つ、というのは、書類の中身を精査するための前提条件であり、そういうプロトコルに過ぎないのですよね。角度が悪いと、中身以前の問題になる、と。

就職活動でいうネクタイとスーツのようなものです。伝統的日本企業の最終面接で、ジーンズ、パーカーで行くと、どんなに優秀な学生でもほぼ100%落ちるでしょう。それと同じです。今はそんなミスを犯すことはありませんが、それくらいズボラな人間だったということです。

そんな僕ですから、誤字・脱字・タイポ(キーボードでtypeをtypoと打ってしまったことから転じて、英語でのスペルミスを表す)には、ええ、かなり苦しまされました。

一体、何度直しを食らったか数え切れませんね。その矯正笑の過程でそれなりにノウハウも身につけたので、今回はどのようにして、誤字脱字率を最小化するか具体的な方策をいくつかお話しします。

そこで、実際のノウハウに入る前に、一つエピソードをお話しします。それはですね、留学時代のエピソードです。

僕は、ちょうど2010年頃アメリカに留学していたのですが、そこで一つ確認したいことがあると常々思っていました。その確認したいこととは、「誤字脱字は日本の伝統的ビジネス社会だけで気にされるもので、いわゆる資本主義社会の本流である米国においては、誤字脱字など気にされず、文章の意味さえ伝われば十分で、生産性を上げることばかり考えているのではないか?」ということです。

そんなくだらないこと気にしてるのは、日本企業だけじゃないか、と、誤字脱字なんてディテールオリエンテッドな日本社会の単なるローカルプロトコルちゃうんかと、思っていたわけです。

それで、実際にアメリカに留学していたわけですが、僕がリードプレゼンターで、パワポを作る時があったんですね。その時のチームが、米国の一流大学・大学院を出て、有名なコンサルティング会社で働いていたアメリカ人だったんです。

で、僕はあらかたパワポと発表内容のスクリプトを作り終わって、彼に確認してほしいって言って渡したのです。

そしたら、彼は、

「Hey vine, typo is everywhere in this deck. That does not look really professional. You should minimize typo before you submit for review.」

と言ったのです。

そこで、耳を疑って、聞いたのです。こっちでもやっぱり誤字脱字に気を配るのか?と。

回答としてはYESでした。typoとかありえないでしょ、ビジネス文書で、って。そりゃ何度もチェックするし、ワーディングもチェックするよ、と。ワーディング、って言葉も和製英語だと思ってたのですが、wordingって英語でもいうんですよね。所謂、適切な語彙による言い回し、です。

まあこの事実は、新入社員の皆さんに教えておくべきものかもしれません笑。

どうも僕も新人の時はそうだったんですけど、こんなバカらしいことでやり直しさせられるなんてやってられねーよ、どうせ日本企業だけだとこんなつまらないことにこだわるの、意味通ればいいだろ、と、かなり軽く捉えていました。

しかし、実際にはそうではないのだから、できれば、海外でもおなじなんだよ、グローバルなベストプラクティスなんだよ、って言ってくれたら、すんなり納得したでしょうね、当時は。

まぁ実態としては、欧米は内部向けの資料、外部向けの資料で、緩急の差をつけているのかも知れないので、欧米日本で全部が全部誤字脱字に対するスタンスが一緒というわけではないのでしょうが。例えば、日本の場合だと、内部向けの資料できちんとできない奴が、外部向けの資料作れるかよって、厳しく言われるケースも多いので。少し厳しい側面はあるのかもしれませんね。

日本だとスーツを着こなすのと同様、誤字脱字のない資料を作るのは、一人前の社会人として認められる前提条件になりますからね。

特に伝統的日本企業だと、このスキルなしに上に行くことはないです。

一人違わずそれなりに出世してる人は、ワーディング、誤字脱字に厳しい、よく気づく。

いずれにせよ、日本でも欧米でもそれなりに誤字脱字というものを気にする機会は、組織で働くビジネスパーソンであればありそうです。

そこで、今回は僕が今まで試して有用だった誤字脱字・typo削減のノウハウを書きます。

本気でやるなら、僕がプロの編集者から教えてもらった要素と僕なりの経験則を混ぜ込んだ、4点をお勧めします。

実は細かいところを言うと、更に色々なやり方があるのですが、はっきり言って誤字脱字typo問題は、10年以内には、その重要性は一層弱まるのではないかと考えるため、以下に述べる4点以外は、切り捨てて結構です。

今更言うまでもないですが、AIがビジネスの現場に導入されるようになると、当然誤字脱字問題なんかは自動修正されることになるのでしょうし、文章なんかはウェブに溢れているので、無数のサンプルを蓄積して、何が正しくて何が間違っているか、教えて判断させる、あるいは誤っている可能性の高いものを検出するというのは、最も得意とする分野です。

あとは、誤解を承知でざっくり切り分けると、45歳以上の人は、まだまだ気にする人も多いのですが、30代まで下がるとそれほど気にする人は多くない。

20代になると、そもそも意味さえ通ればいいでしょ、気にするとしても外に出すだけでいいはず、との意識が強い。

合理性、生産性の観点からは、できるだけそんな瑣末なことは気にせずにアクションを起こすことでしか価値は生まれないのだから、今後のトレンドとして、誤字脱字typoを見つけるのに血道を注ぐような人は減って行くでしょう。

そうすると、誤字脱字を少なくするスキルなんてのは、どんどん必要とされなくなるのは決まっているようなもので、あんまりこういうことに時間を割いても仕方がないです。

ベストプラクティスが世の中にあるならそれを利用すれば足りる話であって、自ら経験して一から法則を編み出すのは時間の無駄ですらある。

ですので、今回お話しする内容さえ覚えておけば、僕個人の感度としては、それ以上磨く必要はないと思ってます。

誤字脱字を防ぐための気にすべき4点とは?

話を戻して、誤字脱字を最小労力で防ぐには4点気にすればいいとお書きしました。

逆にいうと、それ以上気にしても時間の無駄、正確にいうと追加で要する時間に対する限界的な効用が低い。

その4点とは、

  • 時間を変える
  • 場所を変える
  • 人を変える
  • 観点を変える

です。一つずつ説明します。

時間を変える

まず、一つ目の時間を変える、とは、誤字脱字チェックは、原稿を作った直後に何度も行うのではなく、1回目は直後、2回目は数時間後、3回目は1日後、等時間を空けた方が良いということです。

受験勉強したことのある人なら共感できると思いますが、一旦解答し終えた答案を見直す場合って、時間内に何度も確認するけど、結局、細かいミスには最後まで気づかなかったりしますよね。

この現象は、連続的に同じ対象物をチェックしていると、人間の脳が本来的には間違いを発見するために行なっている確認行為を、これだけ確認しているのだから間違っているわけない、という風に自らの行為を合目的的に正当化してしまうからではないかと僕は考えます。

いずれにせよ、時間を空けないと、気づけるミスも見逃す人間の性質が存在する。この事実を重く受け止め、時間を変えて確認する、というのは、絶対に行いましょう。

そして、このような確認をするためには、成果物ドラフトを数時間前、下手したら1日前に作らなければなりません。

しかし、本来的にはそれが望むべき姿なのです。ギリギリにようやく仕上げた成果物というのは、最後の詰めが甘く、完成度でいうと6割・ないしは7割が限界です。

さらに、他の人にレビューしてもらう時間もなく、自己レビューのみでそのまま期限を迎える、といったことも少なくありません。

でもですね、成果物の質っていうのは、ドラフトが出来上がって、自分で少し時間をおいて見直して、誰かからレビューしてもらって、俄然磨き上がるものなのですよね。

これは、何度も試したことがあるのですが、どんなにきついことを言われたとしても、事前にレビューしてもらった方が結果出来上がったものが良いものができるのは、ほぼ確実でした。というか、100%といって良いでしょう。

自らの力だけで0から100まで仕上げる、というのは、僕が新人時代に行った過ちの一つですが、苦労のわりには報われません。

ですので、締め切り手前にドラフトを作り、自分で時間をおいて見直すと同時に、他人によるレビューも同時進行で入れ込む、というのがオススメです。

これが一つ目の時間を変える、ということの意味とその副産物的な効用でした。

場所を変える

場所を変えるとは、その言葉の意味どおり、誤字脱字チェックする場所を変える、ということです。

例えば、会議室を一人で予約して、そこで確認したり、違うフロアに移動したり、カフェに移動したり、その方法は様々です。

いずれにせよ、時間を変える、ともに、場所を変えると、これまた誤字脱字発見率が格段に高まります。

やはり、場所を変えると、気分も一新して、新たな目でモノを見られるようになるからなんでしょうね。

ちょっとロジカルではなく経験則的なのですが、これは前述のとおりプロの編集者、校正担当から教えてもらった技でもあるので、試す価値はあります。

人を変える

これは1点目でも言及しました、つまり、他人に確認してもらう、ということです。

ここはさらっと次に行きましょう。

観点を変える

これが最後です。観点を変えるとは、毎回確認する対象のカテゴリーを変えるということです。

具体的には、1回目は、てにをはチェックをする、2回目は、数字関係チェックをする、3回目は誤字脱字チェックをする、といった流れです。

誤字脱字、という風に今まで申しておりましたが、確認したいのは、それだけではなくて、ちょっとした数字の誤り、てにをは、用語の使い方等、成果物の本質には大きく関係しないけれども、それらの誤りが見つかることで、成果物全体の信頼性にも疑義をもたれることを防ぎたいわけですから、いわゆる誤字脱字チェックには、てにをはチェックなり、数字関連チェック、組織内用語チェック、なども包含されているはずです。

それで、これらを1回で同時に確認するのは、、、、まぁ不可能です。

これだけ多くの変数を同時に頭の中で動かすのは容易なことではありませんし、端的に非効率です。

それなら、今まで培ってきた場所を変える、時間を変えるとともに、観点を変える、も織り交ぜてみると、あら不思議、圧倒的に誤字脱字発見率も高まるのです。

文章の校正、というと、同時に3−4つのことをなさねばならない、という強迫観念に駆られるのですが、実際には、そうではなく、最終的に3、4つの観点で確認できていればいい、ということですね。

そのためには、同時に複数の観点でチェックするのではなく、一つずつ目線を変えて確認する方法を僕はお勧めします。

とはいえ時間がないときは??

とはいえ、上記4つの点を全て執行する時間がない、ときもあると思います。

その場合は、人を変える、観点を変える、を優先して、時間と場所を変えるは劣後させてください。

せっかく力を込めて作った資料も、一つの誤字脱字がその信頼性に疑義を抱かせ、内容もまともに見てもらえない、ということは誰しも経験がありますし、そういうことを気にする人は確実に存在します。

そして、その気にすること自体に非があるわけではなくて、その人自体が気にする人ではなくても、上が気にする人で仕方なくやっているのかもしれないし、単により良いものを作りたいから一分の隙も許したくない、といった完璧主義者なだけかもしれず、一概には悪いこととはいえません。

まあこれも飲み会の作法と同じで、慣れるとどうってことないですし、実際に誤字脱字の多い資料とそうではない資料では、(海外ですら)質の高低と結びつけられることはあるので、可能な限り上記4点のチェックは行うべきかと思います。