とんかつ好きの聖地いもや(ただし馬喰町)

東京におけるとんかつ好きの聖地とは?
とんかつ好きの聖地とは?とか言ってますけど、僕も東京にきて「いもや」に来るまでそんな物があることは知りませんでした。
元々は友人に神保町のいもや本店に連れて行ってもらったのが、きっかけでこの店を知るに至ります。
この店はですね、単に美味しいとんかつを提供するだけじゃないんですよね。
まぁまるで伝統的日本企業の社内ルールのような暗黙ルールが幾つかありまして、まずそれが一種異様な雰囲気を作り出しています。
具体的には、神保町店では、入ったらいきなりとんかつでいいですか?と声をかけられます。ここで、何も答えられなかったら自動的にとんかつがサーブされます。
実はメニューはもう一つあって、ひれかつ、というのがあるのですね。なので、とんかつでいいですか?と言われた時には、「ひれかつで」と言わないと、ひれかつは食べられないという、なんとも厳しいルールがあるのです。
まあ普通はわかりませんし、入るまでにメニューを見る暇はないんでしょうから、戸惑いますよね笑。
あとですね、食べてるときは一切話したらいけないのです。
いや、実際にはそう張り紙に書いているわけではないんですよ。ただ、話しながら食べていると、普通に厳しい口調で注意されます。
なので、一言も発さず黙々と食べなければいけない。
事実、店の中の客は黙々ととんかつを口に運び、世間話なんかは一切ない、とてもシュールな光景が広がっています。
当然のことながら、食べ終わったあとも、だらだら残っていたら即座に注意されます。ですので、牛丼屋のごとく、即帰らないといけない。
じゃ、そんなとんかつ屋に一体誰が好き好んで行くのか、と申しますと、まあ普通に美味しいんですよね。
とんかつも美味しいですけど、特にひれかつがカラッと揚がっていながらも、肉が脂身が少なく柔らかく美味しい。また、量も多いです。
更にこんなに美味しいし量も多いのに、値段が安いのです。
確か、僕が行った数年前ですら、とんかつは汁つきで800円、ひれかつで1000円です。
で、この神保町店ですが、今年の3月を持って閉店してしまいました。
ただ、この神保町店で働いていた弟子が暖簾分けをして作ったのが、馬喰町店で、こちらはまだ営業をしています。
値段は、神保町店と同じです。
写真にアップしているのは、ひれかつですね。割と大きめのヒレカツが3つ乗っていて味噌汁もついて1000円です。
200円高いですけど、僕はあぶらっこいとんかつ、よりはヒレカツを嗜好します。このへんは好みなので好きなものを食べると良いと思います。
個人的なおすすめはヒレカツです。このヒレカツに、アジフライや季節によってはカキフライを足すことも可能です。
で、馬喰町店ですけど、神保町店と比べると雰囲気が柔らかいです。
入った瞬間に、とんかつですか?と聞かれることもないし、多少の世間話は許されます。(とはいっても、度がすぎると注意される)
ですので、まあ誰でも入れる気軽さはありますね、それでも、そのへんのチェーン店よりは入りづらいかもしれませんけど。
味ですけど、とても美味しいです。御飯の量がデフォルトだととても多いので、少食な方は少なめといったほうがいいでしょう。僕はいつもそうしてます。
ちなみに、たくあんは取り放題です。
まあ味も抜群に旨いとはもちろん言えないのですが、この値段にしてみたら十分すぎると思いますね。いわゆるコスパのいい店で、大抵の人はこのレベルのとんかつで満足するんじゃないですかね。
僕は十分満足しています。ただ、なぜあまり行かないのかというと、ロジが良くない、つまりどの駅からも遠いんですよね。
しかも、マニアックな馬喰町という。繊維問屋が沢山ある不思議な町並みなのですが、普通に生活してたらまず行かない街です。
ですので、機会があれば、できるだけ行くようにはしているのですが、あえてそのために行くということは自分の場合はないです。
神保町店がなくなってからは、そこに通っていた人もこぞってきていると聞きますし、混んでいるのであればなおさら行く気が失せます。
とはいえ、聖地と言われるくらいの質、量、値段、を維持しているし、とんかつ原理主義的な殺伐とした雰囲気がほどほどに漂う馬喰町店は、これからも混み続けるのでしょうね。
近くに行った際はぜひ。そんな用事があるのは稀だとは思いますが。